「ふくは食いたし命は惜しし」
といわれていたのは昔のこと。
強い毒性があるので専門の免許を持つ調理師しか扱えないが、
その季節には鍋用に調理済みのふぐが出回るので、それを求めてきて過程で鍋に仕上げる。
美味だが高価なふぐ料理も下処理済みならば、安心して気軽に味わえる。
◆材料の吟味
ふぐはとらふぐを使う。
専門店では切り身の状態で売られていることが多く、比較的手に入りやすい。
おいしいスープは骨から抽出されるので、骨付きのものを求めたい。
ふぐの味をそこなわないように、アクの強い材料は避ける。
◆材料(各適宜)
- ふぐ(とらふぐ)
- 白菜
- えのき茸
- 春菊
- 長ねぎ
- しらたき
- かつおだし
- 昆布
◆下ごしらえ
- ふぐは骨付きのままぶつ切りにする。
- 白菜はざく切りにする。
- 春菊は軸のかたい部分を切り落とし、食べよい長さに切る。
- 長ねぎは斜め切りにする。
- えのき茸は根元を切り落とし、小房に分ける。
- しらたきは熱湯に通してアクを取り、食べやすい大きさに切る。
◆鍋を作る
鍋にだし汁と昆布を入れて、あっさりめの昆布だしをとる。
煮立ってきたら、骨の付いたふぐの切り身を、まず最初に入れる。
骨から入れることによって、ふぐのだしが抽出される。
ふぐを全て入れ終えたら、しらたき、白菜、長ねぎ、えのき茸と火の通りにくい物から順々に入れていく。
◆ここにこだわる◆
ふぐちりはあっさりした昆布だしがベース。
これに骨の付いたふぐを入れると、風味のまろやかなだし汁ができる。
香りのある上品な味わい。
【調理のポイント】
- ふぐは骨付きのものから
- ふぐを鍋に入れる時は、必ず骨付きの身から入れる。骨から出しが染み出し、スープに旨みが加わる。