煮ても焼いても蒸しても、いかようにどう食べても美味しい鯛。
ちり鍋も鯛の美味をしみじみ実感できて箸がすすみます。
シンプルですが贅沢極まりない鍋ともいえます。
吸い物の椀だねにも向く上品な白身の魚なのでスープにも極上のだしがとれます。
それだけに鮮度のよいものを一尾丸ごと使うのがポイント。
魚屋でおろしてもらっても大丈夫です。
◆材料の吟味
鯛は産地により味が違います。
姿が美しく色が綺麗で尾の先がすれていないものを選びたい。
鯛は小さくても大きすぎても味が落ちるので、3.5kgまでが目安。
赤の色が鮮やかなもの、青色の斑点がはっきりとしているものが新鮮です。
◆材料(4~5人前)
- 真鯛(1.8kg) 1尾
- 白菜の外葉 6枚
- ほうれん草 1/2把
- 春菊 1/2把
- 生椎茸 5~6枚
- 豆腐 1丁
- 昆布 15cm
- 大根 200g
- 赤唐辛子 2本
- あさつき 4~5本
- だいだい 1個
◆下ごしらえ
1.鯛一尾はさばいてぶつ切りにする。
2.白菜巻きを作る。
- 白菜の芯の厚い部分をそぎ取り、平らにする。
- 簾の上に白菜の軸と葉を交互に並べる。ほうれん草も茎と葉を交互にし手前におく。
- 簾で手前の方から巻いていく。端を巻き込むように巻き始めるのがポイント。
- 簾の両端を握って、水気を絞る。絞り過ぎない方が綺麗にできる。
- 巻いた白菜を3~4cmに切る。綺麗な切り口になるように静かに包丁を動かすこと。
3.熱湯に塩一つまみを入れて、白菜、ほうれん草の順にゆでる。
巻き簾に白菜の葉を交互に3枚並べ、ほうれん草を芯にして巻き、
小口から3~4cm長さに切る。
4.春菊は切って根を切り落とす。
5.椎茸は軸を切り取り、上盛りの1枚だけに傘に飾りを入れる。
6.豆腐はやっこに切る。
7.材料を全て綺麗に見栄えよく盛り付ける。
- 白菜巻きを下に並べ、それをまくらにして、綺麗に整えた鯛の胸ビレと尾ビレを飾る。
- その前に切り身を高く盛り、手前に頭をむき合わせておさめる。
- まわりに、豆腐、飾りを入れた椎茸、春菊をあしらう。
- 雑具の大皿の景色も味のうち。
◆薬味・たれを作る。
- 紅葉おろしを作る。
- 大根は皮をむいてすりおろし、軽く水気を絞る。
- 赤唐辛子は微温湯につけて柔らかくして種を抜いてみじん切り、大根おろしと混ぜる。
- あさつきは小口切りにする。
- ポン酢醤油を作る。
- だいだいは胴まわりの皮を帯状にむき、横二つ割りにして汁を絞る。
- 絞り汁と醤油は同割りにする。
◆鍋を作る
昆布を土鍋に入れて水を張り、火にかける。
【調理のポイント だしのとり方】
煮たち始めたら昆布を取り出す。
まず、鯛を入れ、順次野菜、豆腐、最後に春菊を入れて、ポン酢醤油と薬味で食べる。
◆ここにこだわる◆
- 汁は昆布だしを使う。
- さっと水洗いした昆布を2つに折り、中央に三角に包丁を入れて菱形の小さな穴をあける。
- この穴に箸を通して引き上げると、昆布が取りやすい。
- 昆布は水から入れてわかすこと。そしてぬめりの出る前に取り出すと、
- 旨みのある昆布だしができる。
- 立派な鯛を見栄えよく盛り付けるように工夫したい。